夏休みに入り最初の土日が過ぎました、巷は「ポケモンGO」一色ですが「自由研究」のテーマは決まりました?
今年も「夏休みの自由研究」は「ウェザーステーションの製作と気象観測」です。
1.「夏休みの自由研究」用ウェザーステーションの調査
2014年に発生して以来、2年に渡って発生していたエルニーニョ1現象が2016年6月に終息しました。 また、夏にはラニーニャ2現象が起こるとの予測があり、この夏は猛暑になるとの予測も出ています。
もし、この夏猛暑となれば、ゲリラ雷雨などの現象も発生しやすいとも考えられますから、気温・気圧などの気象データを測定する装置を作成して連続観測を行いたいと思います。
1.1 気象観測装置の市場調査
気象観測装置は、市販している製品や携帯出来るモデルなどが売っています、「夏休みの自由研究」で利用できるモデルがあると良いですね。
Netatmo ネタトモ ウェザーステーション NET-OT-000001
ネタトモ・ウェザーステーションは、スマホやPCと連動して気温・湿度・気圧・騒音・二酸化炭素濃度を測定可能なウェザーステーションです。
オプションとして、雨量計や風速計などを追加することができます。
価格は2万円程度と夏休みの自由研究で利用するにはとても高価。
計測したデータは、ブラウザを経由して見ることはできますがデータを取り出すことができません。(大変難しい)
データの取り出しが出来ないことは、調査・分析を行う事が出来なくなりますので「夏休みの自由研究」向きではないかも。
WxBeacon(ウェザービーコン)
ウェザーニュース社が会員向けに提供している小型の気象観測機で、気温・湿度・気圧を自動測定します。
ウェザーニュースタッチの有料会員になり、2000ポイント溜めると無料で提供してもらえます。
ただ、2000ポイント溜めるまでに6ヶ月程度かかることと、有料会員向けという点で今からでは「夏休みの自由研究」に利用するには難しいですね。
もし、既にWxBeaconを持っているのなら、測定データを記録する方法を考えることも研究になると思います。
1.2 2016年の夏休みの気象観測に必要な機能
この数年の夏休みは、気温・気圧・風速などを計測してきました。
ソラヨミマスター
初めての気象観測は、ソラヨミマスターを使って測定しましたが安定して計測できるまでには何度か計測練習が必要でした。
2016年の観測対象
これまでの数年、ソラヨミマスターを使って気象観測を行ってきましたので、少し期間の長いデータや突発的な気象現象を捉えようと考えています。
今年行ってみようと考えている気象現象は、局地的に降る雨や雷などが発生した際に温度/湿度/気圧に変化で、気象現象を観測できると面白いと考えています。
したがって、気象観測は長期間データを溜めることができることと、突発的な気象現象に対応できる観測装置が必要と考えています。
2016年の「夏休みの自由研究」のテーマです。
自由研究で利用するための観測装置のポイント
夏休みの自由研究で必要と考えられるポイントは次の2点:
- 夏休み期間中のデータを記録出来る
- データを取り出してグラフ等の作成が出来る
あくまでも、「研究」することが目的ですので、測定した気象データをとし出して、加工(グラフにすることなど)が出来ることが重要です。
2.「夏休みの自由研究」用ウェザーステーション
市販品を使って調査を行うことは可能ですが、長期間に渡ったデータの保存や留守中・夜間の気象観測などはさらに調べたり、改良・改造する事が必要でしょう。
既に何らかの機器を持っている場合には、持っている機器を利用出来ないか考えることも大切です。
今回検討している方法は、プログラムとセンサーを利用して計測データの保存と利用が行いやすい、「夏休みの自由研究」に向いた気象観測装置を考えます。
2.1 ウェザーステーション構成案
気象データの測定は、半導体センサーを用いて行います。 センサーを動作させる小型のコンピューター(マイコン3)を使って、プログラムを動作させて計測を行いましょう。
簡単に考えても、いくつか構成が思いつきます:
機器構成(案1)
- ラズベリーパイ(Raspberry Pi)
- 気温・気圧・湿度センサー(BME280)
機器構成(案2)
- アルディーノ(Arduino)
- 気温・湿度センサー(DHT11/22)
他にも、PICマイコンを使ったりmbedを使うなどの方法も思いつきます。
2.2 ウェザーステーション・案1の試作と実験
アイデアと現実の間にギャップが無いかを確認するために、プロトタイプと呼ぶ実際に動作する気象観測機を作成しました。
構成案1の通りのパーツを使い、ラズベリーパイ(Raspberry Pi2)と温度・気圧・湿度センサー(BOSCH BME280)を使ったウェザーステーションを作ってみました。
機能概要
- 計測データはラズベリーパイに保存(SQL)、1時間毎
- グラフを別途作成可能
- LCDに現在のデータを表示
- 1時間毎にツィッターへ送信(リモート動作チェック)
Raspberry Pi
Raspberry Pi3:5800円程度(7月25日調査)
BME280センサー
測定データのグラフ化
温度、気圧、湿度の計測データ(1時間毎)をそれぞれグラフにするプログラムを作り作成しています。
期間は3日分の観測データです、設置場所は屋内。
Raspberry Pi単体の価格が5000円程度します。 したがって、研究予算が必要となりますので、中学生以上向きの構成となりますでしょうか。
プログラム言語はPythonを使いました。
Raspberry Piは、OSにRaspbianなどのLinuxを利用できるためRaspberry Pi単体でプログラム開発も可能です。
2.3 ウェザーステーション・案2
ウェザーステーションの第2案では、Arduino(アルディーノ)を利用して気象観測装置を作成しようと考えています。
その、Arduinoの最大の特徴は安いこと。
2.3.1 手作り大好きな人向けパーツ組み
スイッチサイエンス:ATMega328P-PU(3.3V - 内蔵8MHz版)360円
チップとセンサー合わせて1100円程度、シリアルインターフェースが1500円程度。
ブレッドボードやジャンパ線などを含めても3000円〜5000円程度の予算があれば作成出来ると思います。
アルディーノ(Arduino)を使う場合のポイントは、データを保存場所を別の場所に保存しなくてはなりません。
低価格マイコンのためネットワーク関連の機能がついていません。
Arduinoにネットワーク機能を付加する構成を検討しましょう。
2.3.2 Arduinoを持っている人向け
Arduinoを持っている場合には、WiFiパーツを追加してデータを外部へ保存できるような部品構成にします。(1000円程度)
Arduinoボードを持っている人は多いと思います。
WiFiモジュールを追加して利用するのであれば、WiFiシリアルモジュールを利用すると追加費用を押させることが出来ます。
2.3.3 NodeMCU/ESP8266を使う
Arduinoマイコンデバイスと、WiFiデバイスが搭載されていて、ファームウェア搭載されたモジュールがNodeMCUという名称で販売されています。
価格は600円〜
このNodeMCUの良い所は、NodejsのAPIが使えたりLuaスクリプトが使えるNodeMCUファームウェアが書き込まれたところです。
ArduinoマイコンとWiFiモジュールが一体化したボードでNodeMCUファームウェアが書き込まれた状態での販売です。
eBay.COMで中国から発送であれば370円から購入出来ます。
スイッチサイエンスで販売しているESP-WROOM-02ピッチ変換済みモジュールを使うとブレッドボードに挿して使えますのでプロトタイプ作成時の使い回しは良いです。
USBシリアルは必要です。(スイッチサイエンス製のUSBシリアルはちょっと高めで1500円程度と微妙)
秋月電子で見積もりをすると:
パーツ(センサー+ボード+USBシリアル)代金1800円
送料500円+代引き手数料300円=2600円
さらに、
ブレッドボード270円、ジャンパ線(オスーオス)180円を加えて2250円
送料+代引き手数料を加えて3050円
2.4.4 プロトタイプ製作中
小中学生向きの「夏休みの自由研究」として利用できると良いと考えています。
「夏休みの自由研究」で利用できる予算として3000円程度ではいかがでしょう。(子供向けプログラミング・スクールなどを考えると手頃かと思います)
- NodeMCU
NodeMCU+DHT22を合わせて国内調達2400円程度、電池・電源などをつけて3000円以内で製作したい。
eBay.COMを使えば:NodeMCU+DHT11=475円。
- ESP01
ESP01+DHT22+乾電池ケース:2000円以下?
USBシリアル・インターフェースを持っている場合は、ESP01を使えます。
首都圏・大阪圏では、パーツショップを探せばもっと安く手に入ると思いますので、ポケモンGOで外出ついでのパーツ探しも行ってね見てください!
機能概要
- 計測データはクラウドサービスThingSpeakへ送ります
- グラフはThingSpeakを利用
- LCD表示
- ThingSpeak経由でツイート
2.4 製作まとめ
プロトタイプ1号機は製作済みで、実際に観測を行っています。
問題点は、価格です。
Raspberry Pi3単体が5800円・・・どうにも高すぎます。 microSDカードにUSB電源などを加えると1万円まですぐそこまで近づきます。
したがって、Arduinoを使った方法へ転換を検討:
Arduino単体は処理性能が低いため、いつかのサービスを利用して課題を解決していきます。
センサーを使った観測と、クラウドサービスを使ったデータのグラフ化、Node.jsやAdruinoIDE環境など複数の環境やプログラミング言語やLuaなどと複数要素を合わせて利用する点では対象は中高生となりますでしょうか。
IFTTTと似たサービスも利用すると、Twitterへもデータを転送することが出来ますから、面白いと思ってくれることを期待したいです。
3. リンク
気象庁:エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
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