今回は、自由研究で利用する気象データについて考えます。
ウェザーシールドを使った気象観測
前回は、アルディーノを使ったプログラムの開発環境のインストール、LEDを点灯させるサンプルプログラムの動作、そしてウェザーシールドのサンプルを使って温度・湿度・気圧の測定を見てみました。
サンプルプログラムでは、1秒毎に温度・湿度・気圧を測定してシリアルコンソールへ表示していました。
観測データ
気象データを観測する際に必要なことをピックアップします。
- 観測間隔 ー 1秒間隔では、気温・湿度・気圧は変化しない
- 計測データ ー 計測したデータはグラフにして利用したい
- 光度と電圧は不要
これらを一つづつ解決してゆきましょう。
1)観測間隔
気温・湿度・気圧ともに1時間程度の間隔でいいのでは無いでしょうか、短い間隔では変化をとらえることは難しいでしょう。
ところで、いったい何時測定するかです。
例えば、「毎時00分に測定したい」とします。
問題:毎時00分に計測するにはどうするか?
なんと、アルディーノには時計がついていません!
どうやって00分であることを知ることが出来るかを考えなくてはなりません。
どうしましょう?!
- RTC(リアル・タイム・クロック)を付ける
- GPSを使って時刻を得る
- 外部からコマンドを受け入れる
アルディーノ単体で動作させる場合には、RTCモジュールを付けると時間を維持できます。
1:RTCモジュールを使う
・観測データをmicroSDカードなどに保存
・データは計測後にmicroSDから取り出して利用
この場合はRTCモジュールを使って、測定時刻を同時に記録する使い方ができます。
2:GPSモジュールを使う
・観測データをmicroSDカードなどに保存
・データは計測後にmicroSDから取り出して利用
GPSモジュールを使うと、GPS衛星からの時刻を得ることができますので時刻に合わせて観測することが出来ます。
RTCと同じ方法ですが、GPS衛星を使った場合には正確な時刻に合わせることができます。
モジュール価格は高い。
3:RTCもGPSも使わない
時間管理はWindowsPCなどで行い定時に測定コマンドを送信することで定時計測を実現する方法が考えられます。
追加のモジュールは必要ありません、WindowsPCやMacなどでプログラムを作ることが必要です。
PC側でもプログラムを作る環境が必要?
2)計測データ
計測したデータは、変化の様子を見るためにEXCELなどの表計算ソフトを使ってグラフを作成したいと思います。
計測したデータは、EXCELで取り込める書式にしておくと便利でしょう。
データはPCへ保存するか、microSDカードへ保存するか1番の時刻をどうするかと連動することとなりますね。
microSDカードを使った場合のデメリット、データがいっぱい担った場合計測を止める必要が出てきます。
30日分のデータが入るmicroSDカードが必要です。
3)いらないデータ
今回は光度と電圧データは利用しませんのでプログラムから削除します。
観測グラフ
日毎の観測データをグラフにした例です:
日毎で見た場合、夏休み期間中で見ると大きな変化は見えてこないかもしれません。
しかし、台風が通過するような場合には短い間隔での測定データがあると気圧の変化や気温の変化と台風の通過がみえるかも。
今年はエルニーニョ現象が終わり、ラニーニャ現象が発生していることがニュースなどで取り上げられています。
ラニーニャ現象が発生した夏は西日本で気温が高くなるというデータもあるようです。
また、台風の発生数も極端に少なく、先日ようやく台風1号が発生しました。
その台風1号も、強い勢力となったことから今後発生する台風も勢力の強い台風に発達する可能性が高いようです。
ということは、台風が通過する際の測定間隔は10分などの短い間隔で測定して、平常時は1時間間隔のデータを記録するようにする。
ここ数年話題になりやすい「ゲリラ雷雨」などを温度・湿度・気圧の変化からとらえることはできるのでしょうか。
急激な変化を検出した場合に測定間隔を変化させるようなプログラムにすることも考えておくと良いかもですね。
次回は実験プログラム
RTCやGPSモジュール等の調査も行いつつ、
次回からは、テスト用の観測プログラムを作成して定時観測の実験を行ってみたいと思います。
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